社員はなぜ辞めてしまうのか

中堅規模の会社の経営者の中には「売り上げを増やすために、辞める社員を減らしたい」と考えている方も多いようである。

社員が辞めてしまうのはいつでも起こりうることであるが、問題は辞めてほしくない社員が辞めてしまうことである。また、辞めていく社員は「なぜ辞めるのか」の本音を言ってくれない。

社員はなぜ辞めてしまうのか。その原因のひとつに「’自分は会社に大切にされていない’と感じている」がある。

社員に「会社は社員を大切にしている」と思ってもらうためには、会社は何をすればよいのか。ここでは「社員を守る」という点から4つの方法をみてみる。

1.社員の健康を守る

健康を守る方法として、「費用は会社持ちで健康診断を受けてもらう」、「残業を極力抑える仕組みを作る」がある。

社員にとって会社で働くことは5年単位や10年単位の長い期間での考え、つまり長距離走になる。しかし、会社は「この一年」や「今期」など短期な視点、つまり短距離走になる。

ひとつ目の「費用は会社持ちで健康診断を受けてもらう」は、社員に短距離走を走れるように会社が社員の健康状態を知っておくためである。

ふたつ目の「残業を極力抑える仕組みを作る」は、残業が長時間になって疲労がたまることで良い仕事ができなくなることを防ぐためである。自社内で「残業時間が何時間を超えるとパフォーマンスが落ちるか」を観察し、その時間を下回るように業務の割り振りなどを進めていく。

2.社員の暮らしを守る

「社員の暮らしを守る」とは、社員が働けなくなったときの収入を確保する制度を導入することである。

社員が怪我や病気で仕事を長期離脱せざるを得ない状態になると、収入が減ってしまって生活に困窮することにもなりかねない。

このような事態にならないように休業補償のある保険に加入するなどの対応をしておく。

3.社員の未来を守る

社員が成長することを約束する、社員の成長の道筋を会社が作ることで、社員が自身のキャリアパスを考えやすくなる。

成長の約束や道筋を作るには社外セミナーの受講などの「教育」がある。教育を受けた社員は成長のスピードが速い傾向があるようである。また、社外のセミナーは自社の経験やノウハウとは別のものを取り入れるため、より多くのキャリアパスの選択肢を作れる。

4.社員の心を守る

社員同士を相互に評価する制度や、会社の方針や業務の疑問点があれば相談できる制度、そして社員と上司の1対1での面談は、社員の心を守る方法として有用である。

待遇が良い会社で働いていても、職場の環境や人間関係が悪ければ仕事のパフォーマンスが上がらない。この状態が続くと「なかなか結果を出せない」と、心が満たされない状態にもなりかねない。

社員と上司が1対1での面談は、「社員の悩み事などを引き出して改善案を考える」という形で運用すれば、社員の「心の荷物」を軽くできる。

社員に「自分は大切にされている」とわかってもらうには、精神的なことや抽象的なことではあまり効果はない。これは、社員が大切にされていることの実感がわかないからである。昔ながらの「俺の背中を見て育て」も、社員にとっては「社長と同じやり方で成長できるのだろうか」と不安になるので効果は期待できない。

優秀な社員は会社から何か与えられたら、与えられた分を返そうとする。そして会社は社員から与えられた分が返されたらもう一度社員に与えることで、好循環が生まれる。この循環が機能することで、社員はより強く「自分は大切にされている」と思うようになる。

社員を減らさないためには

日本では少子化が進むことで今後人材を採用しにくくなっていくと予想される。そのため、社員の離職は極力減らしていきたいところである。

社員に「自分は大切にされている」ということが浸透すれば、辞めてほしくない社員は「会社に貢献しよう」と思い、離職は減らせて、また、優秀な社員なら業務改善などの提案も上がってくることが期待できる。

会社組織を変えるのは簡単ではない。少しずつで良いので、できるところから「社員を守る方法」を採り入れていく。

コメント

タイトルとURLをコピーしました